
本記事は、飲食料品製造業分野の特定技能2号評価試験について解説します。
試験制度・受験資格・受験料・日程・会場は変更されることがあります。申し込み前に必ず、OTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)とプロメトリックの公式情報をご確認ください。
日本の食品工場などで働く特定技能1号の方にとって、次の目標になるのが特定技能2号です。
ただ、「自分は受験できるのか」「何を勉強すればよいのか」がわかりにくい。飲食料品製造業の2号試験では、試験の合格に加えて、複数の作業員を指導しながら工程を管理する立場での管理等実務経験が求められ、申込にも勤務先の協力が必要だからです。
この記事では、飲食料品製造業の特定技能2号評価試験にしぼって、受験資格、試験の中身、出題範囲、勉強のしかた、申込の流れを順番に整理します。読み終わるころには、「自分はいつ、何を準備すればよいのか」がはっきりするはずです。
飲食料品製造業の特定技能2号評価試験とは
試験の正式名称は、飲食料品製造業特定技能2号評価試験です。OTAFFが実施しています。
飲食料品製造業分野で特定技能2号の在留資格を目指す人には、日本国政府が定める管理等実務経験の要件を満たしたうえで、この試験に合格することが求められます。
2号の試験で問われるのは、作業を一人でできるかだけではありません。食品を安全に作るための衛生・品質・安全の知識に加え、工程を管理し、作業員を指導する立場として判断できるかがポイントになります。
⚠️ 注意: この試験に合格しても、特定技能2号の在留資格が必ず得られるわけではありません。在留資格の認定や変更は、別途、出入国在留管理庁の審査があります。
受験資格:2年以上の「管理等実務経験」が必要
日本国内で飲食料品製造業特定技能2号評価試験を受けるには、次の4つをすべて満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 在留資格 | 試験日に在留資格を有していること |
| 年齢 | 試験日に満17歳以上であること |
| パスポート | 対象となる外国政府・地域の権限ある機関が発行したパスポートを持っていること |
| 実務経験 | 飲食料品製造業で、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての管理等実務経験が2年以上あることを確認できること |
「管理等実務経験」とは
必要なのは、単に食品工場などで2年間働いた経験ではありません。複数の作業員を指導しながら、自分も作業に従事し、工程を管理する者としての経験です。
職場での呼び方は、職長、班長、リーダーなどさまざまです。自分の担当業務が要件に当てはまるか、経験をいつから数えるかは、早めに勤務先へ確認してください。
個人だけでは申し込めない
飲食料品製造業の2号試験では、企業からOTAFFへ実務経験証明書を提出してもらう必要があります。そのため、企業マイページを登録している企業から受験者登録をしてもらう仕組みです。
個人マイページだけでは、この試験に申し込めません。受験を考え始めたら、勉強と並行して、勤務先の担当者に「実務経験の証明と受験者登録について相談したい」と伝えておくと安心です。
⚠️ 受験資格や証明書の扱いは大切な手続きです。自分で判断せず、申込前にOTAFFの最新の試験案内と勤務先の担当者へ確認してください。
試験形式・問題数・合格基準
試験の全体像は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験科目 | 学科試験・実技試験 |
| 実施方式 | CBT方式(会場のコンピューターで解答) |
| 選択肢 | 4択 |
| 試験時間 | 70分 |
| 言語 | 日本語(漢字にルビなし) |
| 問題数 | 学科35問、実技15問、合計50問 |
| 配点 | 学科125点、実技75点、合計200点 |
| 合格基準 | 200点中130点以上(正答率65%以上) |
学科と実技の両方がある
飲食料品製造業の2号試験は、学科試験と実技試験の2科目です。実技試験も、会場のコンピューター画面に表示される問題に答えるCBT方式です。
食品を実際に製造したり、機械を操作したりする試験ではありません。しかし、現場で起こる状況を読んで、工程管理者として適切な対応を選ぶ力が求められます。知識を暗記するだけでなく、「この場合は何を優先するか」を考える練習が必要です。
70分で50問に答える
70分で50問なので、1問あたりに使える時間は平均で約1分24秒です。すべての問題で長く迷う余裕はありません。
本番では、確実に答えられる問題から進め、迷う問題には印を付けて最後に戻る意識が役立ちます。特に「正しいもの」「誤っているもの」などの条件を読み違えないよう、問題文は最後まで確認しましょう。
出題範囲:公式テキストの6章を押さえる
OTAFFの試験案内では、出題範囲は学習テキストの第1章から第6章に対応するとされています。
| 学習テキストの章 | 試験案内での対応項目 |
|---|---|
| 第1章 職長として働くための基本 | 工程管理者の基礎 |
| 第2章 食品衛生 | 食品衛生管理 |
| 第3章 品質管理 | 品質管理 |
| 第4章 生産管理 | 生産管理 |
| 第5章 労働安全 | 労働安全衛生 |
| 第6章 社会の変化と会社の方針 | 食品企業に対する社会的要請 |
食品衛生だけを勉強すればよい試験ではありません。工程管理者として、衛生、品質、安全、生産、会社に求められる社会的な責任を、つながりのあるものとして理解する必要があります。
また、公式の2号学習テキストは、特定技能1号の学習用テキストの内容を理解していることを前提としています。2号テキストだけで分からない言葉が出てきた場合は、1号テキストにも戻って基礎を確認しましょう。
公式教材から始める勉強方法
ステップ1:公式テキストで出題範囲を1周する
最初に使うべき資料は、OTAFFが公開している飲食料品製造業の特定技能2号学習用テキストです。第1章から第6章まで、分からない箇所があっても止まりすぎず、まず最後まで読みます。
この段階の目的は、すべてを暗記することではありません。「どんなテーマがあり、自分の弱い分野はどこか」を知ることです。
ステップ2:食品衛生・労働安全・品質管理を現場の場面と結びつける
食品工場の仕事では、衛生、品質、安全は別々のものではありません。たとえば、手洗い、異物混入の防止、作業手順、記録、作業員への指示は、毎日の現場でつながっています。
テキストを読むときは、「自分の職場ではいつ行うか」「問題が起きたら誰に何を伝えるか」まで考えてみてください。用語が記憶に残りやすくなり、状況問題にも対応しやすくなります。
ステップ3:4択問題で「選べる」知識にする
テキストを読んで理解したつもりでも、4つの選択肢から正しいものを選ぶと迷うことがあります。用語を見て意味を言えるだけでなく、似た選択肢との違いを説明できる状態を目指しましょう。
間違えた問題は、答えだけを覚えず、公式テキストの該当箇所に戻って理由を確認します。特に、衛生や安全の問題は「なぜその行動が必要か」まで理解すると、表現が変わっても答えやすくなります。
※ 本サイトで公開する練習問題は、公開されている出題範囲をもとに作成したオリジナル問題です。実際の試験問題を転載したものではありません。学習を支援するものであり、合格を保証するものではありません。
ステップ4:70分・50問を意識して見直す
知識が一通り身についたら、時間を意識して問題を解きます。50問を70分で解くためには、難しい問題に時間を使いすぎないことも大切です。
解いた後は、正答数だけで終わらせず、間違えた問題を「食品衛生」「品質管理」「生産管理」などの分野ごとに分けて見直しましょう。苦手な章を公式テキストで読み直し、もう一度問題を解く。この繰り返しが、得点の安定につながります。
申込方法・受験料・試験日程
申込は、受験者本人だけで完結しません。飲食料品製造業または外食業を営み、外国人材を直接雇用する企業が、OTAFFの企業マイページを登録し、受験者登録を行うところから始まります。
おおまかな流れは次のとおりです。
- 企業が企業マイページを登録する
- 企業が受験者を登録し、OTAFFの審査を受ける
- 受験者がマイページにログインする
- 飲食料品製造業を選び、試験日時・会場を選択する
- 受験料を支払い、予約を完了する
受験料は15,000円(税込)です。公式案内では、受験者による支払いはクレジットカードまたはPayPayとされています。
試験日時・会場・空席は変動します。OTAFFが案内するプロメトリックの開催日程で確認し、希望日が決まったら早めに予約を進めてください。企業側の登録・審査にも時間が必要になるため、試験日だけを見て直前に準備を始めないことが大切です。
まとめ
- 正式名称は飲食料品製造業特定技能2号評価試験。学科試験と実技試験をCBT方式で受けます。
- 国内で受験するには、満17歳以上などの条件に加え、管理等実務経験2年以上を確認できることが必要です。
- 管理等実務経験は、複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての経験です。
- 試験は70分・4択・合計50問・200点満点で、合格基準は130点以上です。
- 出題範囲は、公式テキストの「職長として働くための基本」「食品衛生」「品質管理」「生産管理」「労働安全」「社会の変化と会社の方針」です。
- 勉強は、公式テキストで範囲をつかみ、4択問題で知識を確認し、時間を意識して復習する順番で進めましょう。
- 受験資格、申込方法、料金、日程は更新されることがあります。申し込み前にOTAFFとプロメトリックの公式情報を必ず確認してください。